休憩時間に何故電話に出ないといけないのでしょうか。どうして昼休憩の時間に電話に出ないだけで文句を言われないといけないのでしょうか? 私は社会人として非常識で、悪いことをしたのでしょうか? すみませんが教えてください。
これはインターネットにあった、「なぜ昼休み中なのに電話を取らないといけないの?」といった書き込みです。
同じように、
- 休憩時間なのに気が休まらない
- 電話を取らないと怒られる
- 昼休みでも電話を取るのは当たり前なの?
と不満を持っている人が多数います。
果たして本当に、昼休みに電話を取らなければいけないのでしょうか?
結論、昼休みに電話を取らないのはOK。むしろ「違法」になります。
本記事では、ある1つの根拠を元に解説します。
目次
昼休みに電話を取らないのが許される理由
昼休みに電話を取らなくて良いです。これには真っ当な理由があります。
以下は、労働基準法で定められている休憩時間についてです。
労働基準法では
- 1日の労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は1時間以上の休憩時間を与えなければならない、と定めています。(労基法34条1項)
- パート・アルバイトであっても、労働時間が6時間を超える場合、45分以上の休憩時間を付与する義務があります。
- そして、休憩時間は労働者が権利として、労働から離れることが保障されていなければなりません。
- 休憩時間中に電話や来客対応した場合、明らかに業務とみなされるため、会社は別途休憩時間を与える義務があります。
- この労基法第34条に違反すると、雇用主は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金を課せられます。
以上のように、昼休みに必ず電話に出なければいけない義務はありません。
休憩中は自由に過ごすことが保障されています。
電話に出なかったり、出るのが遅かったことに対して、叱責を受ける理由もないのです。
昼休みの電話、取らないことが本当に正解なのか?
ではここで、少し角度を変えた意見を述べます。
以下は1つの例です。
お昼に1本の電話がかかってきた。相手はかなり焦っている様子。
担当が不在だったので、別の人に頼むと「お昼なので」と断られたので謝って切った。
夕方、担当が戻り先方に連絡を入れるが繋がらない。
実はとんでもないトラブルが発生していて、現場はパニックになっていた。
後日、その会社との取引は停止した。
昼休みだから電話に出ない = 悪いとは言いません。
ただこの場合、「電話に出る、出ない」のは大した問題ではありません。
立場や見る角度で180度見解が変わるし、対応次第で結果も変わってくる。
会社が悪い影響を受けると、もちろん自分にも何かしら跳ね返ってきます。
昼休みに電話を取らないと怒られる理由
きっとこの記事を読んでいる人には、電話を取らないことで怒られた人がいると思います。
昼休み中なのに怒られるなんて、相当気分悪いですよね。
ではその原因は何なのでしょうか?主な理由を3つ挙げます。
会社の体質が古い
「相手が客かもしれないんだから、すぐに出ろ」
「電話は女性が出るものだ」と言われた。
会社によって電話に対する考えは違うもの。
残念ながら、「電話が鳴ったら出る」という、古い考えの社風が残っている企業はたくさんあります。
そもそも昼時にかけてくる方が非常識であり、口の中に食べ物が残ったまま喋るのもおかしな話。
また、真っ先に電話に出るのは女子という、暗黙の了解がある男尊女卑のシステムも。
電話に出れる人がいるなら、代わりに出ればいいだけなのですが、古い会社ほどなかなか変わりません。
契約に休憩時間が含まれていない
もう一度おさらいしますが、労基法では、特定の労働勤務時間に対し、休憩時間を与える義務があります。
労働時間 | 休憩時間 |
6時間以上 〜 8時間未満 | 45分以上 |
8時間以上 | 1時間以上 |
逆を返せば、「その一定時間を超えない場合、休憩時間を与えなくても良い」とも言えるのです。
パートやアルバイト、派遣社員であれば、就労時間を6時間未満で契約しているかもしれません。
その場合、契約上に休憩時間が含まれていない可能性は十分考えられます。
人手が足りていない
昼休み時、職場に人がいなくて、電話を取らざるを得ません。
最後は、「人手不足」という物理的な問題です。
中小・零細企業であれば、どこも同じ状況だと言えます。
仮に社内に1人残されているとしたら、昼食どころか、トイレに行くことすらできません。
営業で外へ出ていくならまだしも、人が居ないことを知ってか知らずか、スッと外へ出ていく人もいます。
電話が苦手という若者の「電話恐怖症」が増えている
電話に出るとパニックで、頭の中真っ白で相手の声も聞き取れません。
昨今では、電話対応に苦手意識を持つ「電話恐怖症」の若者が増えています。
実際にソフツーの電話業務に関する実態調査では、20代~30代の7割以上が「電話に苦手意識を感じている」と回答しています。
参照元:ソフツー「電話業務に関する実態調査」
具体的には、
- 電話が鳴るとドキッとする
- 頭が真っ白になる
- 相手の人の名前を繰り返し聞いてしまう
- とっさに言葉が出ない
- ろれつが回らなくなる
- 話の要点をまとめるのが苦手
- 相手が何を求めているかわからない
- メモが追いつかない
といった内容で、電話に出ることが億劫で、「恐怖心を抱いている」のが明らかです。
また電話対応のちょっとしたミスを、上司や先輩に怒られ指摘されることで、より一層電話に対する苦手意識が高まってしまいます。
これを改善するには、以下のポイントを押さえます。
・相手のペースにのまれない
・ゆっくり話す
・遠慮なく聞き返す
・感情を抑えて機械的に行う
・電話対応がうまい人を真似る
筆者も電話対応が苦手で、よく声が震え上がっていました。
以上のポイントを意識し、あとは数をこなせば、電話対応は怖くなくなります。
昼休みに電話する方がうざい?迷惑だと感じる理由
昼間に電話を掛けてくる方が非常識だとおもうのは私だけでしょうか?
上記は、そもそも昼休みに電話をかけてくる方が悪いという意見です。
少なからずネット上には同じ考えを持つ人が多く、
- 出ると大した内容じゃない
- 営業の電話が多い
- ゆっくり食事がとれない
といった理由から、昼休みに電話する方がうざいと感じているようです。
セールスなど新規営業の場合、休憩時間という概念がなく、時間帯を無視してかけてきます。
ただし、急用であれば時間帯は関係ありませんし、常識といった概念は人により、また業種によっても異なります。
営業時間が9時-17時の会社があれば、11時から始業する会社もあるし、フレックスでお昼休憩自体がない場合もあります。
結局のところ、休憩時間は必ずしも12時-13時とも言えないので、このような問題が起きてしまうのだと考えられます。
昼休みに電話を取らないようにする対策
では昼休みに電話を取らなければいけない、謎のシステムにどう対処すべきか?
ここで対策を述べていきます。
当番制にする
「昼休みなのに電話を取らなければいけない」
すなわち、執務場所から離れた場所で昼食をとれる環境にしていない会社、業務体制に不備があるということ。
そんなにお昼にかかってくる電話が重要なら、休憩時間を交代制にして、常に誰かが対応できるようにするべきです。
電話が身近にある場所で昼休憩をしていたら、ご飯を食べていても電話を取らざるを得ません。
その場は職場であり、ご飯を食べるところではないのです。
だから電話当番を決めれば、電話をとらなくていい日ができて、休憩をとれるようになります。
◆但し、当番制は正しいやり方とも言えません。
外資系の会社であれば、まずこんなおかしな話はありません。
昼休みは働かないし、会社も働かせない。電話は出ないし、例外も作らない。
電話に出なくていいシステムを作らず、またそういう努力や改善もせずに「昼休みは電話にでるべき」というのは、そもそも変です。
それに当番制にしたとして、普通に守らない人もいます。
上司や会社に相談する
電話を取らない方法は無いか?と、会社側の考えを聞く必要があります。
注意してきた人の上司に相談し、結果として同じ考えであれば、会社にも話を持ち掛けやすくなりますし、労働局に連絡することも可能です。
もしもあなたに注意をしてきた上司の独断なら、その上司を外したり部署移動も考えられます。
お昼休みは自由に過ごしていい時間です。
その人が言っているのは、あくまで会社の通例に過ぎません。
社外で休憩を取る
そもそもなぜあなたは、お昼時に会社にいるのでしょうか?
お弁当を持ってきているから?休憩する場所がないから?
会社に残る人は、残念ながら便利屋状態になっています。
周りの人が社外で昼食をとっているなら、同じように外で済ませばいいです。
昼休みになったら即座に会社を出て、お昼を食べにいきましょう。
仕事を理由に外出する機会を増やす
事務職のような「電話を取らなければいけない社員」じゃなければ、仕事を理由に外出しましょう。
車があるなら車の中でもいいですし、「商談後にお昼を食べてきます」と言伝して早めに出てもいいです。
そもそも真面目に会社に残る方なんて馬鹿らしいです。
気晴らしに外へ行き、適度に休んで働く方が、イライラしなくて済むし生産性も上がります。
電話窓口を外注化する
「電話は社内で対応するもの」という考えを無くし、電話代行サービスを利用しましょう。
社内の電話対応をオペレーターに任せれば、電話対応が億劫にならなくて済みます。
お昼休みはもちろん、人手が足りなかったり、電話での業務中断を避けたい場合に便利です。
電話代行サービスは、ただ電話を受け取るだけではなく、不在であることを伝え、折り返しの有無の確認も行います。
最近では担当者への連絡を、様々なチャット(Chatwork、 Slack、 Microsoft Teams、 LINEなど)へ通知するサービスもあるようです。
会社の電話を無くす(社用携帯を持たせる)
固定電話の代わりに社用携帯を提供すれば、終始電話に出ることすら無くなります。
取引先とのやり取りは、直接担当者に任せればいいので、1番効率の良い対策です。
また営業の電話も来ないので、かなりストレスも無くなります。
ただこの場合経費がかかるのと、仕事とプライベートの境界線が曖昧になってしまいます。
会社と交渉しなければいけないので、実現するには時間と労力が必要です。
受話器を上げておく
この方法は、昼休みに電話を取らないための最後の手段です。
昼休みの間、電話の受話器を上げた状態にしておき、電話が鳴らないようにします。
これにより、昼休み中の電話対応から解放され、休憩時間を十分に取ることができます。
しかし、取引先から連絡が入った時に繋がらないと、ちょっとした問題になります。
そのため、「どうにもならない」「改善の目処が立たない」といった場合のみ、会社に意思表示をするための一時的な対策に留めましょう。
昼休みに電話を取らなくていい、但し慎重に行動を。
冒頭で述べた通り、昼休みに電話を取る必要は無いし、無理強いをされているなら、イジメどころか違法にあたります。
但し、会社とどのような契約をしているのか?雇用形態の内容によるので、一概に違法とは言い切れません。
自分の立場を確認し、会社との関わり方を考えた上で、適切な対処をするよう注意してくださいね。