どもる人って、自分で気づいているのですか?
うちの職場はどもる人が多く、毎日ものすごく耳障りです。
こちらはネット上にあった、「どもる人」「吃音(きつおん)」に対する投稿です。
他にも、
- なかなか聞き慣れることができない。
- ゆっくり話せばいいのにと思ってしまう。
- とにかく腹が立つ。
といった意見が、ネット上に散見されています。
しかしながら、吃音症(きつおんしょう)は簡単に治せるものではありません。
では、彼らとどのように接すればいいのでしょうか?
そこで、この問題を解決するために、詳しく調査することにしました。
本記事では、
- どもる人にイライラする理由
- どもり(吃音症)になる原因とは?
- どもる人・吃音症の人への対処法
以上について解説します。
目次
「どもる人にイライラする」理由は、『どもるとは別のところ』にあった
「どもる人にイライラする」という書き込みを見ていくと、意外な発見がありました。
それは、どもる人にイライラしているのではなく、
「別のところ」
にイライラしていることがわかりました。
というのも、どもることに対する怒りはほとんど見当たらず、
- 話す内容、話の中身
- その人の性格や背景
- イライラしてしまう自分
これらに向いているようです。
具体的な例を挙げると、
「つまらないことを話し続けるから」
「仕事をろくにしていない」
「どもって話すことにキツくあたって後悔した」
というように、どもること自体を問題視していません。
むしろ、「どもるのは仕方ない」「別に気にしていない」という意見が目立ち、吃音症を理解している人が多いようです。
どもり(吃音症)になる原因とは?
どもり(吃音症)とは、話す時に言葉が伸びたり、途切れたりする障害のこと。
主な症状は以下の3つです。
- 伸発「いーつも」「こーんにちは」
- 連発「お、お、お疲れ様です」「あの、あの」
- 難発「…(声が出ない)」
吃音の症状の7割〜8割は成長と共に治りますが、残りの人は固定されると言われています。
それに、吃音の症状は家族や友人など、心の許せる人の前ではあまり出ませんが、初見や上下関係下にある場合は出やすくなります。
また、吃音の当事者曰く、「中学生の頃が1番きつい。」そうです。
これは周りからからかわれたり、馬鹿にされるといった、思春期における「いじめ」を指していると考えられます。
参考
日本財団ジャーナル 無理解で苦悩する吃音(きつおん、どもり)の若者たち。
カンテレNEWS:注文に時間がかかるカフェ
どもる人・吃音症の人への対処法
では実際に、どもる人と接する際には、どのようにすれば良いのでしょうか?
大切なのは、彼らの気持ちに寄り添い、話しやすい環境を作ることです。
ここでは、どもる人・吃音症の人とのコミュニケーションをよりスムーズにするために、周りの人ができる配慮すべきポイント、対処法について解説します。
忍耐強く待つこと
話している最中に言葉がつかえることがあっても、焦らずにゆっくりと相手が話すのを待ちましょう。
急かしたり話を途中で遮ったりすると、相手はプレッシャーを感じ、話しづらくなります。
そのため、相手が自分のペースで話せるように、相手が話し終えるまで静かに耳を傾けて待つのです。
このちょっとした配慮が、不安を軽減し、安心感を与えることができます。
目を見てよく聞くこと
相手が話すことに耳を傾けると同時に、目を見てよく聞くことです。
たとえ相手が言葉に詰まっても、視線を逸らさずに待つことで、相手のペースを乱さずに済みます。
その時、優しい眼差しを向けること。
時折微笑みかけながら、リラックスして話せるような場を作りましょう。
アドバイスを押し付けないこと
「ゆっくりでいいよ」「リラックスして」
このようなアドバイスは、反対に押し付けがましくなる場合があります。
そのため、相手が自分なりに努力していることを理解して、無理に助言しないようにしましょう。
それより相手の気持ちを尊重し、まずは話をしっかりと聞く方がよっぽど大事です。
手助けが必要なときは、相手がなにを求めているかを確認し、慎重に伝えるよう心がけましょう。
相槌をして相手の話に反応すること
話を聞く時は、「うんうん」と相槌を打って反応しましょう。
適度に相槌を挟むと、相手に対する関心や理解を示す効果がある上、会話がスムーズになります。
ただし、誇張して相槌したり大げさになりすぎないように。
プレッシャーを与えると萎縮させてしまうので、共感を込めた自然な反応をしましょう。
何が言いたいのかを読み取る(感じ取る)こと
吃音症の方が言葉に詰まるとき、その背後にある気持ちや意図を読み取りましょう。
対話の際に、
- 話の内容
- 文脈
- 表情や仕草
- 声のトーン
これらの情報から、話の意図を読み取るのです。
相手の口調や話すリズムによっては、なかなか解釈するのが難しいかもしれませんが、そんなときは、
「そうなんだ」
「わかるよ〜」
「もしかして〇〇のこと?」
と、普段、あなたがしている受け答えをすれば問題ありません。
なぜなら、変に気を使わせることがなくなり、緊張もほぐれるからです。
どもる人にイライラする。でも実は、そのときの自分に腹が立っているだけ。
以上の通り、どもる人にイライラするのは、当人に対してではなく、うまく接することができていない自分に苛立っているからです。
結局のところ、自分の器の小ささに問題があるということで、相手を責める理由はありません。
どもる人・吃音症の人は、決して好きでそうしているのではないことを理解し、あなたが少し寄り添う気持ちがあれば、この問題は簡単に解決するのではないでしょうか。